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- 名誉会員(2020年度)
名誉会員
小西貞則氏
小西貞則氏は,2000–2001 年度に応用統計学会の会長を務められ,応用統計学会の発展に尽力された.小西氏はこれまでに統計数理研究所,九州大学,中央大学に勤務され,優れた研究を積み上げられるとともに,大学の要職も歴任されてきた.小西氏は,統計量の分布に対する精密な近似を得るための正規化変換や,予測の観点から統計モデルを評価するための情報量規準に関する研究により国際的にも高く評価され,2006年にアメリカ統計学会よりフェローを授与された.また,2009年には文部科学大臣表彰科学技術賞を授与されている.研究面だけでなく,教育面では多くの学生を指導されたほか,「情報量規準」(朝倉書店)や「多変量解析入門」(岩波書店)など多くの専門書も執筆され,統計学の発展・普及に大きく貢献されてきた.
これらの業績は特筆すべきものであり,応用統計学会名誉会員としてふさわしいと判断できる.
三輪哲久氏
三輪哲久氏は,1996年度から1999年度まで応用統計学会企画理事,2000年度から2003年度まで応用統計学会副会長を務められ,応用統計学会の発展に尽力された.三輪氏は,1983年に農業環境技術研究所に入所以降,長年にわたり一貫して農業研究分野で用いられるデータ解析のための応用統計手法を研究されてきた.現在,国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構フェローを務められている.三輪氏の多重比較法についての理論研究ならびに農業分野での応用研究の業績は著名であり,英国王立統計学会誌,米国統計学会誌にも論文が掲載されている.これらの研究業績により,2008年には日本計量生物学会賞も受賞されている.三輪氏は,実験計画法と分散分析についての多くの専門書も執筆され,応用統計学の普及啓発にも大きな貢献を果たし,2015年には日経品質管理文献賞も受賞された.
これらわが国応用統計学に対する三輪氏の業績は,まことに大きなものがあり,応用統計学会名誉会員としてふさわしいと判断できる.