- HOME
- 応用統計学フロンティアセミナー
応用統計学フロンティアセミナー
責任あるAI・データサイエンス技術の開発に向けて
-説明可能性・公平性・安全性に向けて応用統計学が果たす役割-
参加申込はこちらから
主催:応用統計学会
共催:慶應義塾大学経済学部附属経済研究所
後援:一般財団法人 日本統計協会
一般社団法人 日本品質管理学会
統計関連学会連合
統計数理研究所
日程:2025年1月12日(日)
会場:慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール+Zoomによるリアルタイム配信(後日、録画配信(期間限定))
応用統計学フロンティアセミナー2024(PDF)
セミナーの概要
加速度的に成長し続ける現在のAI(人工知能) ・データサイエンス技術は,私たちにとってより身近な存在となり,毎日のように社会生活をより豊かなものに変えてきました.その一方で,社会に大きな変革を与えた現在のAI・データサイエンス技術は,倫理的な問題やプライバシー,セキュリティーなどにおいて,意図することなく社会や個人に深刻な影響を与える潜在的なリスクもかかえています.この問題を解決するためには,AI・データサイエンス技術が持つリスクを取り除き,安全で信頼できるAI・データサイエンス技術を開発することが不可欠です.今年度のフロンティアセミナーでは,責任あるAI・データサイエンス分野の第一線で活躍されている研究者3名に話題提供をしていただき,新しいデータサイエンス時代の到来に向けて,私たちが何をすべきなのか,そして,その中で応用統計的な思考力の果たす役割や諸関連学会の連携の必要性などを参加者のみなさまと議論していきたいと考えています.本セミナーは,応用統計学会の学会員だけではなく, 他学会の皆様,一般の皆様にも公開いたします. 数多くの方のご参加をお待ちしております.
※本セミナーは開催後,録画配信(期間限定)を実施します.
プログラム
13:00~13:05 開会の挨拶
13:05~14:05 「機械学習と公平性」(神嶌 敏弘先生・横浜国立大学)
14:05~14:15 休憩
14:15~15:15 「説明可能AIとその信頼性」(原 聡先生・電気通信大学)
15:15~15:25 休憩
15:25~16:25 「差分プライバシーとグラフ統計解析への応用」(村上 隆夫先生・統計数理研究所)
16:25~16:30 閉会の挨拶
講演概要
神嶌 敏弘先生
演題:機械学習と公平性
概要:
機械学習やデータ科学は,与信,採用,保険などの重要な決定に使われるようになってきた.そこで,これらの決定を,人種や性別などのセンシティブ情報に対して公平性を担保しつつ行うような機械学習やデータ科学の手法が研究されている.前半では,機械学習の予測が不公平になる原因と,その原因ごとの事例を紹介する.そして,機械学習で用いられる形式的公平性規準について説明し,同時には達成できない規準があるといった性質を紹介する.後半では,機械学習で公平性を保つための課題として,公平性の検証手法,公平性を保証する学習手法,および運用上の工夫などを紹介する.
略歴:
1992年 京都大学工学部情報工学科卒業
1994年 同大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了
1994年 電子技術総合研究所入所
2001年 博士(情報学).
2001年 研究所は産業技術総合研究所へ再編.
2023年 同所を退職,横浜国立大学非常勤教員.
データマイニングや機械学習,特にAI倫理や推薦システムに関する研究に従事.
2019年人工知能学会 AI ELSI賞.
2022年 ECMLPKDD Test of Time Award.
原 聡先生
演題:説明可能AIとその信頼性
概要:
機械学習を利用する上での課題の一つに「機械学習モデルはブラックボックスで説明ができない」点があげられる。このようなモデルのブラックボックス性の問題を解消するために、機械学習モデルの”説明”の研究が活発になされている。本発表ではこれら”説明”手法の代表的な研究を紹介する。また、近年の研究においてこれらの”説明”手法そのものの信頼性に課題があることが明らかになってきている。本発表ではこれら”説明”の信頼性に関する最近の研究についても紹介する。
略歴:
2008年 早稲田大学理工学部応用物理学科 卒業
2010年 東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻 修士課程修了
2013年 大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻 博士後期課程修了
2013 – 2015年 IBM東京基礎研究所 研究員
2016 – 2017年 国立情報学研究所ビッグデータ数理国際研究センター 特任助教
2017 – 2020年 大阪大学産業科学研究所 助教
2020 – 2024年 大阪大学産業科学研究所 准教授
2024年 – 電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻 教授
機械学習の説明可能性や公平性、信頼性などに関する研究に従事。
村上 隆夫先生
演題:差分プライバシーとグラフ統計解析への応用
概要:
差分プライバシーは,個人のプライバシーを保護したまま統計解析を行う際の安全性指標のデファクト標準として知られており,米国の企業や政府などで導入が進められている,本講演では,差分プライバシーとはどのようなものか,どのような安全性を保証するのか,差分プライバシーを満たす技術としてどのようなものがあるか,といった差分プライバシーの概要について説明する.その後,差分プライバシーのグラフ統計解析への応用に関する講演者の研究成果を紹介する.
略歴:
東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了.博士(情報理工学).日立製作所 研究員,産業技術総合研究所 研究員,同研究所 主任研究員を経て,2023年より統計数理研究所 准教授.2020年カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員.専門分野はプライバシー保護、機械学習の安全性
参加申し込み・費用
参加登録:特設サイトよりお申込みください.
参加費:
応用統計学会会員 2,000円
応用統計学会非会員 4,000円
学生(会員・非会員とも) 1,000円
実行委員会
川野秀一(九州大学), 黒木学(横浜国立大学), 三枝祐輔(横浜市立大学), 長尾大道(東京大学),
折原隼一郎(東京医科大学), 中村 知繁(順天堂大学), 川崎玉恵(青山学院大学), 岩本大輝(早稲田大学), 吉田悠夏(横浜国立大学)